宅地建物取引主任者(宅建士)資格があれば、
不動産売買・不動産仲介業が出来ます!
よく行政書士試験や司法書士試験の入門として受験をする方もいますが、
宅建資格があれば個人で不動産業の開業もできる起業・独立向けの国家資格であったりもするのです。
今回は、宅建試験に合格した方が個人で不動産業を開業するまでの流れについて実体験を踏まえながらお話ししたいと思います。
宅建試験の合格を目指している人もすでに試験に合格して免許を持っている人も是非最後までご覧になってみてください。
宅建講座|KIYOラーニング公式サイト
ホームページ作成サービス「グーペ」
やよいの白色申告オンライン
実際に不動産業を開業した筆者の話|経歴紹介
筆者は大学在学中に宅建試験に合格し、新卒採用でとある司法書士事務所に就職をいたしました。
司法書士事務所?
そうなのです、実は筆者が採用になった司法書士事務所は新たに不動産部門を開設する!
ということで、宅建免許を持っている方を探していたのです。
4月入社で最初にした仕事は不動産業の免許取得!
司法書士法人に入社した筆者に待ち受けていた最初の仕事は、企業の宅建免許の申請・取得…(新入社員には結構重たい仕事)
年に1回しか行われない宅建士試験に合格した筆者は、晴れて宅地建物取引主任者試験の合格者となります。
ただ、試験に合格しただけでは宅地建物取引主任者ではありません!
ただの、宅建試験の合格者です…。
宅地もしくは建物の取引に関して2年間以上の実務経験があれば別ですが、大学生の時に宅建試験に合格した筆者にそんな実務経験があるわけないのです。
ということで、登録実務講習を受講しなければならないのです。(当然有料)
で、筆者は採用になった後すぐに登録実務講習を受け個人の免許を取得していたのです。
(登録実務講習に関しては、合格通知と一緒に資料が送られてきますのでそちらをご覧下さい。)
補足で登録実務講習について
登録実務講習は、資格学校で行われることがほとんどでインターネットで申し込みをすることができます。
どこで受講しても大した差はありませんが、受講料と免許の発行スピードが違うようです。
登録実務講習は自宅学習と通学(スクール)の両方を行わなければなりません。
自宅学習というのは予備校から送られてくるテキストを読むだけ…自宅学習=家でただ予習(自習)するだけ…ですので誰かに監視されるということはありません。
宅建試験に合格後、すぐに登録実務講習を受けると言う人は自宅学習をしなくても問題はございません。
通学(スクール)で学ぶ内容は”実務”ですので、宅建試験の内容とは全く異なります。(通学はたった1日です。)
講義(スクール)の最後に簡単な試験があり、その試験で一定の点数を取らなければ不合格になってしまい、修了証が交付されませんので真剣に講義を受け、真剣に試験を受けて下さい!
(試験は、講義内容をよく聞いていれば分かる問題です。宅建試験のように引っ掛け問題はございません。)
一週間ほどで修了証が自宅に郵便で届きますので、その修了証と身分証明書・登録されていないことの証明・住民票・合格証書・顔写真を用意し、登録手数料37,000円を支払えば個人の宅建免許が発行されます。
司法書士事務所の時は免許申請が簡単だった!
それで司法書士法人に勤めている時にどのような手続きをしたのかというと、免許申請に必要な書類の記載です。
免許申請に必要な申請書の一式は、各都道府県のホームページにある宅建業の担当の課からダウンロードができますのでダウンロードして印刷!確か、すべて印刷すると結構な枚数だったと思います。
その書類に必要な情報を書き込んで宅建免許を管轄している役所に持って行き、チェックをしていただき不備なし!となれば、手数料を支払って終わり!(役所の手続きは…)
次に、その書類のコピーをさらに宅県協会に持って行き入会申請!後日、宅建協会の方と面談を行いさらに供託金を収めて終了!晴れて企業として宅建業ができるというわけなのです!
筆者はその後、数ヶ月間司法書士のお仕事と不動産業のお仕事を行い、退職…しました。
司法書士を事務所を退職して不動産業を開業!
司法書士法人を退職後、少しアルバイトをしながら供託金を含め開業時金として200万円貯金しました!(オォ〜〜!)
筆者は、アルバイトをしている時から不動産会社のホームページを作り、集客なんかもしていました!
(その時は、宅建免許がありませんでしたので仲介業ではなくお客様の紹介業!)
ホームページ作成や宅建免許がない営業の話は後でするとして、個人で宅建免許の申請をした時の注意点について説明いたします。
個人で不動産業を立ち上げるのは大変レアなケース
不動産仲介業をするためには、宅建の試験勉強で覚えたと思いますが”供託金”と言うものを納めなければなりません。
供託金は主たる事務所では60万となりますが、通常宅建協会と言う団体に所属しなければなりませんので、供託金と合わせて協会への入会金(返金なし)がかかります。
(全部で約130万円くらい)逆に言ってしまえば130万円あれば個人(1人)でも不動産業が出来るのです。
が、実は個人で宅建業の免許申請をする方がほとんどいませんので、なかなかスムーズな申請は難しいのです。
免許取得に必要な書類一覧
- 宅地建物取引業者免許申請書
- 身分証明書
- 登記されていないことの証明書
- 住民票
- 個人の宅建免許
上記の書類が宅建免許の申請に必要な書類になります。
身分証明書は本籍地、住民票は居住地、登記されていないことの証明書は法務局で取ることが出来ます。
また、免許申請の時に登録免許税3万3千円が必要になります。(個人ですので知事免許です。)
個人の宅建免許申請の注意点
個人=事務所兼自宅の場合も想定されます。(私がこのケースでした。)
よく自宅でエステ業を開業しました!なんて人もいますが、宅建業はそれが…できない!自宅の生活部分と事務所部分が完全に分けられていなければ免許がもらえません!
そして、筆者のケースなんですが、お部屋のどこどこにテーブルを置け!居住スペースと事務所を完全に分けろ!事務所だと分かるものをポストに張れ!と言われました。
どこにそんな文言が書いてあるんだよ!
月に5万円で借りているアパートの一室でそんなことできるわけないだろ!という感じでした…
結局筆者は…個人の宅建免許は取得しませんでした。
(お金を貯めて、免許申請までしたのにやめたのです。)
理由は2つあって、資本金の200万円のうち宅建協会に130万円支払って残りのお金で生活するお部屋とは別に事務所を借りる…なんてことは無理!
もう1つは、集客用に立ち上げたホームページのアクセス数がアルバイトや宅建免許の申請をしている間に爆発し、広告収入を稼ぐことができるようになり”あれ?不動産業しなくても生きていける!”なんて思ってしまったのです。
もともと、海外生活に興味がありましたので…今では台湾在住のプロブロガーって…
法学部を卒業後に新卒採用で司法書士事務所に勤め、台湾とフィリピンで1年半の海外留学を経て、語学を活かして…就職?ではなくまさかのブロガー!(そんな人生もあり!)
で、この選択…正解だったかな。って今は思っています。
以下では、不動産経営にかかる費用やホームページ作りについてお話しいたします。
不動産業の経営にかかる費用とは?
不動産経営にかかる費用について少しお話いたします。
不動産業でかかる費用というのは、事務所の賃料・車やパソコンなどの備品・ホームページ・会計ソフトくらいになります。
不動産会社のホームページって?
不動産会社と言っても物件を何千件も扱う不動産会社があれば、30件くらいしか扱わない不動産会社もあると思います。
筆者のケースでいうと、生活保護受給者専門の不動産会社を作る予定でしたので物件数は100件くらいで十分!ということで、多くの不動産会社が使っているような検索システム付き!
ではあるが見た目がいつの時代のサイトなんだよ!
というようなサイトは使わず自分で作りました。(それがある意味成功!)
で、自作でホームページを作るとどのような作り方をしても大体一年間に1万円の運用費がかかるものなのです。
個人的には不動産業に関わらず大手企業のウェブサイトでも使われているWordPressというソフトを使って企業ページを作るのがオススメですが、
レンタルサーバーを借りたりドメインを自分で購入したり、カスタマイズってどうするの?ということで、意外に面倒。
ただ、オススメではありますので時間とお金がある方は、WordPressで作ってみてください!
自分でいろいろやって良いホームページが作れなかったら時間と労力が無駄…。
そんなの嫌だ!という方は、「グーペ」という有料のソフトを使うと簡単に誰でもそれなりのホームページを作ることができます。12ヶ月契約で年間12,000円でホームページが持てるDXプランなんかがオススメです。
ディスク容量が5GBになりますので、50件くらいの物件を厳選して載せることができると思います。
最近はfacebookをメインページにして集客したり、無料ブログやツイッター・インスタグラムによって会社や物件情報の宣伝をしている企業がほとんどですので、お客様にホームページから物件を探してもらう!
と言うよりもとりあえず、お問い合わせをもらってそれからお客様に物件を紹介する!というスタイルが良いと思います。
と言っても、ホームページのない不動産会社は不信感しかないと思いますのでどんな形でも必ず作ってください!
不動産業では必須の会計ソフト
会計ソフトとしては、「やよいの青色申告」や「会計ソフトfreee」というソフトが有名で、この2つで会計ソフトの大部分をシェアしています。
会計=確定申告になりますが、白色申告・青色申告の違いって?
違いは青色申告の場合は不動産所得・事業所得・山林所得控除がありますので、多くの方が青色申告をいたします。
会計ソフトは1年間の利用料金が1万円程度でどちらのソフトもほとんど同じになりますので、好みで選んで良いと思います。
ただし、一年間の事業所得が300万円以下の場合は無理に青色申告をしなくても白色申告でも大丈夫!なんてケースもありますので、その場合はやよいの白色申告オンラインというソフトを使った方がお得だと思います。
なぜなら、やよいの白色申告オンラインは無料だからです!
(何年使っても無料!いや、稼いで青色申告した方がいいよ!)
とりあえず、売上が増えるまではやよいの白色申告オンラインを使ってかかった費用や取引履歴なんかを入力しておけば問題なし!
宅建免許がないのに個人で不動産業ってできるの?
これから宅建試験を受ける予定の方に、宅建免許が(まだ)ないのに不動産業ってできるの?という話をいたします。
不動産仲介業をするためには宅建業の営業許可がなければすることができませんので、不動産管理会社や大家さんに代わってお客様に物件を貸すことはできません!
が、貸すことはできないものの不動産会社のホームページを作り、物件情報を載せ、集客し、お客様にお部屋案内をして、契約!
は、できませんので契約だけ不動産仲介業者や不動産管理会社にしてもらうことで不動産業っぽいことはできるのです。
これを不動産仲介業ではなく不動産会社にお客様を紹介する業と…筆者は勝手に呼んでいます。
大手不動産情報ポータルサイトは広告の掲載料で儲けている会社で、仲介業をしているわけではありませんよね?
それを小規模でやっている感じです。ある意味、代理店的な意味合いの会社。(お部屋を貸せないので代理はできないけど…)
物件情報は大家さんや管理会社に行けばもらえるよ!
物件情報は無料で載せます!載せたい大家さんは連絡してね!と、宣伝すると意外にも連絡がきます!
それに、不動産管理会社に飛び込みで物件情報を下さい!お客様を紹介します!と言えば、案外簡単に物件情報がもらえたりするのです。
なんなら、鍵まで貸してくれて物件の写真撮っていいぞ!なんてことも言われます!
この時に、宅建免許が(まだ)ありませんのでお客様紹介で!家賃の1ヶ月分だけでも報酬を下さい!!なんて言えば、1件紹介するだけで5万円もらえるものなのです。
と言っても将来的に宅建免許が必要になると思いますのでぜひ全力で試験勉強を頑張って下さい!
今だと、スマホで隙間時間に宅建試験の勉強ができる「宅建 通勤講座」が選ばれているようです。
リアル体験談|融資って受けることができるの?
最後に、不動産開業をする際の融資についての実体験から少しお話したいと思います。
実は筆者は司法書士事務所を辞めた後、200万円貯める前に銀行なんかに融資の話を聞きに行ったのです。銀行だけではなく、会計事務所を通して銀行に探りなんかも入れました!
結果は…
不動産業を始めるための宅建免許の取得費用(130万円)については融資を受けることが出来ません。
融資を受けるためには”どうして融資を受けなければならないのか?”と言う明確な理由が必要なのです。開業資金に関してはそれくらい自分で貯めろ!と言う回答です。
例えば、月に支出が20万円あり、会社経営をして行くために年240万円必要だから貸して下さい!と言っても残念ながら話は通りません。
美容院をオープンさせるために、専用の機械を買ったりレンタルするために!店内を改装するため!と言う理由があれば融資の審査が可能みたいなのです。
つまり、設備投資の少ない不動産仲介業ではなかなか融資に頼ることが出来ないと言うことです。
不動産業で成功をすればお金がガッポガポ入ってくると思いますので、最低200万円は自力で集めましょう!
ということで、今回は宅建業の免許申請や不動産会社の運営・経営・融資のお話をいたしました。ぜひ、筆者に変わって成功を掴んでください!